人によって、中国語を学習する目的は様々だと思います。「ビジネス上必要だから」「中国に引っ越すことになったから」「好きな小説を原文で読みたい」「中国の歌を歌えるようになりたい」「中国のアイドルにファンレターを送りたい」「オンラインゲームで中国の人と交流したい」などなど…
私は、(中国語に限らず)語学を学習するということは、他者理解・他文化理解であり、そこから自己理解へ至る良い手段だと考えています。
語学学習をすると、母語との類似点及び差異を敏感に捉えることができるようになります。翻って、自分の言語体系に興味を持ち、そこから滲出する自己の価値観を相対的に把握することができるようになるのです。
われわれ外国人が中国語を学習するとき、母語が中国語の人にとっては当たり前で特段意識しないことをわざわざ学習することがよくあります。たとえば
電話をかけた
打了一个电话(dǎ le yīge diànhuà)
と、日本語にはない一个(一回)を中国語ではよくつけます。つけなくても意味は通じますが、つけたほうが自然なのです。こういったことの積み重ねが、自分の言語感覚の再構成につながり、翻って世界をより広く見渡すことができるようになることにつながるのです。

中国語学習の目的
なぜ中国語を勉強するのでしょうか?