日本の竹

分類の仕方や種類の数え方には諸説ありますが、一般に国内にある竹は約600種とされています。 その中でも、マダケ、モウソウチク、ハチク、メダケが主な種類と言われます。 マダケ、モウソウチク、ハチクは3大有用竹とも呼ばれ、工芸品などの原料とされてきました。
他にも様々な種類が存在しますが、その中からごく一部を紹介します。
シホウチクホテイチクラッキョウヤダケ
高さは4~5m、直径3~4cm。中国からの外来種で、関東以西で栽培されています。画像からは分かりにくいですが、触れると幹(竹稈)の形が四角形だと分かります。冬でも葉が美しいので庭園に植栽したり、手水鉢の脇に数本植えていることが多いです。秋タケノコとして食用に適しており、高知県南国市などが産地です。この画像は、制作者自身が修善寺の竹林の小径にて撮影しました。 高さは6~8m、直径4cm位。本州中南部以西では中国から導入後、帰化して定着した所があります。栽培は九州で多く、関東北部でも行われています。幹の一番下から高さ3m以内までの節間が異様に圧縮されたかのような状態になるか、よく見られる節の形とは異なる部分ができます。こうした位置や節数は個体によって異なっていて、同一のものが全くないという特徴をもった竹です。 高さは2~4m、直径1~1.5cm。ヤダケの変種です。 形態が特殊な栽培種で、野生のものは皆無です。各節間の芽のない側の幹の下方部と地下茎の節間が異常に膨れ、ラッキョウのように見えるのが名前の由来です。地下茎でも同様な奇形となっています。

世界の竹

世界には計1200種ほどあるといわれています。その中から、ごく一部を紹介します。
ゾウタケタイワンマダケディノクロア・スカンデンス
高さ30m、直径30cmに達する世界最大の竹で、熱帯地域に広く分布しています。タケノコが地上に顔を出してから約4カ月で大きくなります。水を送るパイプ、バケツ、舟のマスト、建築用の材料などに利用されています。タケノコは食用になりますが、硬く穂先を利用することが多いです。 画像の出典は、無料写真 夢の島熱帯植物館です。 高さ12~18m、直径7~9cm。台湾や中国に分布し、日本へは1913年に導入されています。1年目の竹は、幹の表がロウのような白みを帯びているように見えます。節が2重で、日本のマダケに似ていることも多いです。しかし、枝の第1節間には小さな空洞がない点がマダケと異なっています。耐寒性があります。 繁殖力が強く、ホテイチク、                     ハチクウンモンチク等との混植地では、これらの竹を駆逐してしまい、タイワンマダケのみの林となります。 高さ30m位。直径8~30mm。クライミングバンブーと呼ばれるつる性の竹で、世界的に珍しい竹です。原産地は、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、南アメリカです。毎年、次々にややジグザグになりながら伸び、木によじ登ったり、地面をはったりしています。この画像は、サイト制作者が板橋区立熱帯環境植物館にて撮影しました。

<参考文献等>
タケ・ササ総図典 内村悦三 著 創森社
ディノクロア・スカンデンスの説明(英文) Useful Tropical Plants Database より